労働者のための保険としてよく知られているのが「労災保険」です。

労災保険の正式名称は、「労働者災害補償保険」といい、業務上の理由で健康を損なった労働者や、死亡した労働者の家族の生活を守ることを目的としています。

この保険は、労働者が業務上あるいは通勤途中の災害などによって病気になったり怪我をしたり死亡したりした場合に保険給付を行うものです。

労災保険と健康保険の大きな違いは、自己負担金があるかないかという点にあるといえるでしょう。

労災保険には自己負担金はなく、また、労災保険料についても労働者の負担はなく、全額が事業主の負担となります。

労働者が業務上あるいは通勤途中の災害などに見舞われた場合、労災保険からの給付としては、以下の3つのパターンが考えられます。

まず治療が必要であれば、「療養給付」や「療養補償給付」が行われることになります。

休業しなければならなくなった場合には、「休業給付」や「休業補償給付」が行われることになります。

障害が残った場合のためには、「障害給付」や「障害補償給付」が用意されています。さらに死亡した場合には、「埋葬料」と、「遺族給付」や「遺族補償給付」が行われることになります。